JBBY Lecture of Michelle Paver and Yumiko Sakuma (translator) on May 12, 2006 |
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1.申し込み〜準備段階 | 2.当日講演が始まるまで | 3.講演 | 4.質疑応答 | 5.サイン会以降 |
1.申し込み〜準備段階 |
2006年5月12日金曜日午後6時より、 国立オリンピック記念青少年総合センター国際交流棟第2ミーティングルームにて、 JBBY(日本国際児童図書評議会)主催の講演会がありました。 実は私は最初、この講演会は『児童図書評議会』という 特別な児童書関係の業界の人だけが受けられるもので、 一般向けのものだとは思っていなかったのです。 ところが1週間前くらいにJBBYは誰でも会員になれて、しかも講演会は 会員以外でも参加できることを知り、申し込むことに。 申込締切や、150人の定員をオーバーした場合はどうなるのかなどのインフォメーションがなかったので、 事務局に電話すると、丁寧に対応してくださいました。 電話したのはGW明け、8日の月曜日で講演会の4日前だったのですが、 その時点でまだ定員まで超余裕という感じで、 「まだまだ大丈夫ですから、お友達とか、どんどん誘ってくださいね!」とか言われてしまった…。 講演会に誘えるくらい『クロニクル千古の闇(以下CoADと表記)』が 好きな知り合いがいたら、"The Clan"に入り浸ってないって(涙) 仮に定員オーバーでも、それだけ入れる部屋を用意するから大丈夫だということで、 その時点で申込書送信&参加費振り込み済みだったので、参加確定。 12日には講演会のあとにサイン会もあるということだったので、 運が良ければご本人に手渡しできるかも!できなくてもスタッフの方に渡してもらえるかも! と、ファンアート(サイトに載せてるやつとか、新たに描いたSWのものとか)と ファンレターを用意することにしました。 前日の11日、仕事帰りにサイン用の『生霊わたり(以下SWと表記)』を新たに一冊買ってから帰宅すると、 母が「何とかってとこから、明日の会場が変更になるって電話あったよ」と言ってきました。 当初は同センター内のセンター棟309号室という定員160人の部屋だったのですが、 国際交流棟第2ミーティングルームという部屋に代わったらしい。 「人数が増えたのかな?それとも減ったのかな?」と、センターのサイトで調べてみると、この部屋、定員60人。 「え…?せっかくの来日講演会なのに人集まらなかったんかい?! と悲しい思いにもなりましたが、 「て、ことはミシェルさんにお近づき(笑)になれる可能性高くなった?!写真も撮れたりするかも!」 と、カメラも持っていくことに(笑) |
1.申し込み〜準備段階 | 2.当日講演が始まるまで | 3.講演 | 4.質疑応答 | 5.サイン会以降 |
2.当日講演が始まるまで |
当日、本来仕事が遅番の日だったにも拘らず、 早番に変えてもらった上に早退までさせてもらって会場へと向かいました。 45分前頃(午後5時15分頃)に会場である第2ミーティングルーム前に着くも、誰もいない上に真っ暗…。 本当にこの場所でいいのか不安に思いつつ待っていると、 しばらくして参加者と思われる年配の女性2名が、開始30分前くらいにJBBYの方々が見えました。 (この時点ではわからなかったのですが、この時JBBYの方と一緒に来られた中に、 この日友情出演の絵本作家、児島なおみさんがいらっしゃいました… 普通にJBBYの方たちとセッティングとかしてました・汗) そして、セッティングするのを待っていると、座っていたソファーの脇のエレベーターから ペイヴァーさんや、翻訳を担当されているさくまゆみこさんが!!! 『ホンモノだぁ〜!!』と、思わず立ち上がってしまいました。 特に控え室に入るでもなく、私が座っていたソファーに荷物を置いて待ってました(笑) 英語が出来れば話しかけられるくらいのフリーっぷり(笑) そして、会場準備ができたので、受付を済ませ、部屋の中に入りました。 部屋の隅の方に、世界の『オオカミ族の少年(以下WBと表記)』が展示されていました。 私が今まで見たことのある UK版、日本版、フランス版、アメリカ版の他、見たことがないものも多数あり感激。 |
世界各国の『オオカミ族の少年』。 "Wolf Brother" in the world. |
1.申し込み〜準備段階 | 2.当日講演が始まるまで | 3.講演 | 4.質疑応答 | 5.サイン会以降 |
3.講演の内容 |
いよいよ講演会の開始です!部屋の前方に長机が置かれ、 中央にペイヴァーさん、向かって左側にさくまさん、右側に児島さん、 ミシェルさんの向かって右後方に通訳の久野さんが座りました。 他の人がしゃべる日本語をペイヴァーさんに通訳するのが久野さん、 ペイヴァーさんがしゃべった英語を日本語にするのが児島さん、という役割分担です。 さくまさんももちろん英語が出来ますが、 今回は講師のお1人なので、受講者向けに日本語で話されていました。 まず、はじめはCoADを読んだことのない受講者(結構いました。私は前の方に座っていたので ちゃんとした数はわからないけど、半数以上そうだったのかも)のために、 ペイヴァーさんより簡単にCoADのストーリー解説。 椅子から立ち上がって話されていました。 このとき強調されたことがいくつかありました。 「ウルフは、カートゥーン(漫画)のオオカミでなく出来るだけ本物に近づけて描いています」ということと、 (ちなみにウルフの目線で語られるシーンは子供に人気があるそうです) 「この作品のことをファンタジーだという人もいますが、 自分はこの作品のことをファンタジーだとは思っていません。 本当の話(リアルな世界観で書かれた作品)だと思っています」 ということ。 まさに私がこのサイトでも叫び続けていることをペイヴァーさんご本人も思っているんだということを知り、 嬉しかったです(笑) このあと、「リアルさ」についてのお話がいくつか出てきます。 ストーリー説明の後は、さくまさんがご自分の意見を交えながらペイヴァーさんに質問し、 それについてミシェルさんが答える、という形式に。 以下鍵括弧でさくまさんとペイヴァーさんの発言を書き出してみますね (うろ覚えや管理人の付け足しもありますので、下記がそのままご本人たちの発言とは思わないで下さい。 あくまでこういう内容の発言をしていた、という感じで捕らえてください) |
さくまさん→ 「ミシェルさんは嫌がるかもしれませんが(笑)、ある記事を持ってきました(と、UKの新聞記事を広げる。) ここにはCoADのことを『石器時代の『ハリー・ポッター(以下HPと表記)』』と表現してあります。 HP以降、出版界では空前のファンタジーブームになっていて、 私はこれらの作品を『ネオファンタジー』と呼んでいます。 CoADもこれらの作品と同一視されることが多いのですが、ミシェルさんはどうお考えですか?」 ペイヴァーさん→ 「私自身、あまりファンタジーを読みません。例外としては『指輪物語(以下LotRと表記)』を読みました。 LotRは言語学者によって書かれた作品であり、作中に(よく調べ上げられた)神話や伝説などが 盛り込まれたものだから好きです。 CoADとHPなどの作品の違いをわかりやすく例えるならば、HPは学校の先生が猫に変化するような、 完全なファンタジーです。 対してCoADは、SWでトラクがアザラシになるシーンがありますが、 これはトラクの体がアザラシに変化するのではなく、 トラクが酸欠でトランス状態になっているというシャーマニズムにのっとったものです。 これは(6千年前が舞台のCoADの世界では日常的で)リアルな出来事です。」 さくまさん→ 「私ははじめ、出版社の人に、この作品をどう思うか聞かれた時、まだ7章までしか発表されておらず、 そこまでしか読んでいない状態だったので、確実にそうとはいえなかったのですが、 『昨今の『ネオファンタジー』とは違う』と感じ、これはすごいものかも、と思ったので、 「出してみてはどうでしょう」、と薦めました。 私は『ネオファンタジー』があまり好きではないのですが、7章まで読んだ段階で、 『この作品は違う、面白い!』と感じたのです。 私も考古学や文化人類学が好きな人間ですが、この作品の作者は そういったことをきちんと調べて書いている、と思いました。 そして、翻訳する段階になって、ますますこの作品と著者のミシェルさんはすごい、と思うようになりました。 たとえば"long fire"という表現があり、これについて質問すると、とても細かい答えが返ってきました。 また、トラクたちが背負っているものが"pack"とあったのですが、これをどう日本語にするか迷ったので、 どんなものか質問したら、材質や構造を細かく説明してくれました。 そして、『ネオファンタジー』と異なるのは、キャラクター性だと思います。 CoADのキャラクターたちはとても人間らしい人間なのです。 CoADはとてもしっかりとしたリサーチをした上で書かれた作品だと思います。」 ペイヴァーさん→ 「CoADを書くために、図書館で色々な文献を読んだり、いろいろなところへ取材旅行にいったりしています。 実際に石器時代の人にインタビューをしたり、石器時代のものを見ることは出来ないので、 今でも石器時代の人に近い暮らしをしている狩猟採集民族の人々に話を聞いたりしています。 グリーンランドのイヌイットや、ラップランドのサーミの人たちに話しを聞いたり、 アザラシやトナカイのどの部分をどう使うのか説明してもらいました。 (以下、しばらく狩猟採集民の生活や、狩り、解体の様子、精神世界などの説明が続きます。 私自身こういったことに興味があるため、文献などを読んでいて 知っていることも多かったのでメモをとらなかったため割愛します・汗) 石器時代の人や、狩猟採集民というと、未開で粗野なイメージがありますが、 実際にはとても細やかな仕事をする人々でした。 (と、持参したいろいろなものを見せてくださいました。受講者にまわしてくださったので、 実際触れることも出来ました。 …さすがに6千年前の矢じりには怖くて触れませんでしたが。) このように、狩猟採集民の生活や精神を細かく調べて書いているせいか、記者の人などによく 「この作品の中に(環境問題のことなど)何かメッセージを込めているのか?」と聞かれることがありますが、 答えは「いいえ」です。 なぜなら、小説にとって一番重要なのは「面白いストーリー」や、「生き生きとしたキャラクター」ですが、 メッセージをこめようとすると、その重要な要素が死んでしまうからです。」 さくまさん→ 「ミシェルさんは以前、大人向けの歴史小説を書いていらっしゃいましたが、大人向けの小説と、 児童書を書くときの違いはありますか?」 ペイヴァーさん→ 「WBを書くのを決めたとき、特に子供向きの小説を描くつもりではありませんでした。 はじめは石器時代を舞台に、親を失った少年を主人公にした ストーリーにするということしか決めていませんでした。 主人公が少年だったために(マーケティング的に)児童書になったのです。 たとえ子供向けだったとしても、基本的には書き方は変えません。子供を飽きさせないために章を短くしたり、 章の終わりに続きが読みたくなるような工夫をする程度です。 書き方を変えるとすれば、大人向けか子供向けかではなくどのような物語を書いているかによります。 19世紀の西欧の敬虔なキリスト教徒の家庭を描いた話と、 6千年前の狩猟採集民を描いた話では、書き方を変えます。」 |
大体以上のような内容の講義でした。(約1時間) ものすごくリサーチするので、ついその全てをつぎ込んで色々書きたくなってしまうそうです。 そして、いつも書いていて文章が長すぎることに気付いて削るそうです(笑) SWでは、フィン=ケディンがトラクにナイフを作ってやるあの(個人的に)ヨダレもののシーンも 最初はナイフを作る工程一つ一つが書かれていて、もっともっと長かったそうです(笑) ペイヴァーさんは、お気に入りのオオカミのぬいぐるみと、 もう一つアザラシのぬいぐるを持ってこられていました。 実は、アザラシの皮を持ってこようと思っていたようですが、 このツアーで検疫の厳しいオーストラリアを回ってこられたので断念した、とのことでした。 このあと休憩を挟み、 休憩の間に受講者集めた質問からいくつかをピックアップしての質疑応答に入りました。 |
1.申し込み〜準備段階 | 2.当日講演が始まるまで | 3.講演 | 4.質疑応答 | 5.サイン会以降 |
4.質疑応答 |
休憩中に集められた参加者の質問から、 さくまさんがいくつかをピックアップし、それに対してペイヴァーさんが回答するという質疑応答が行われました。 私が考えてもみなかった質問もあり、結構面白かったです。 |
Q.「物語の中でのレンの役割が大きいと思いますが、 はじめからレンを大きく、力強く描くつもりだったのでしょうか?」 A.「いいえ。しかし、全6巻の物語になる、と思ったときから レンが重要なキャラクターだということは知っていました。 しかも、レンは作者の意のままにならない、「自分で動く」キャラクターです。 実は初め、SWでは、レンは物語の初めと終わりにだけ登場する予定でした。 しかし、彼女は友達のピンチのときに、ただ黙って待っているような子ではありません。 そのため、出番が増えたのです。」 Q.「キャラクターの名前は何か元になったものがあるのですか?」 A.「キャラクターの名前は全て自分で作ったものです。 言葉の響きとしてはヴァイキングや古代のアングロ・サクソンの言葉をイメージしています。 しかし、「トラク」とは、イヌイットの言葉で「完璧」という意味があることをあとで知りました。」 Q.「6巻目の結末は考えてあるのですか?」 A.「物語の一番最後に何が起こるのかは考えてあります。」 Q.「作中、食べるシーンが多く見られますが、実際のリサーチで食べてみておいしかったものはなんですか?」 A.「トナカイの肉やスモークサーモンはおいしかったです。それと作中で ウルフの好物の赤いベリーがありますが、あれは私も好きです。 逆に、できれば2度と食べたくないものはアザラシの脂肪です。 特に、生はキツかったです。しかし、生のレバーはおいしかったです。」 Q.「調査にかける時間はどのくらいですか?」 A.「図書館では大体2週間くらいです。その後、取材旅行に出かけます。全体で6〜8週間くらいになります。」 Q.「子供の頃はどんなお話が好きでしたか?今のご自分の作品に反映されていますか?」 A.「まず、いろいろな国の神話や伝説を読んでいました。エジプトの神話などを。 神話はもっともパワフルな物語だと思っています。想像力をかきたてられます。 第二に、冒険小説が好きでした。 特に、二人のアメリカ人の少年が、彼らの父親の動物園のために 世界中で動物を捕まえる話が好きでした。 自分はこの話が実は男の子向けの話であることは、あまり気にしていませんでした(笑) 著者はウィラード・プライスという人で、”Lion Adventure"など、 "〜Adventure"という題名のものが何冊か出ていました。 アメリカ人が主人公ですが、アメリカの出版社の人に聞いても知らなかったので、 イギリスの本かもしれません。 これら二つの要素は自分の作品にも反映されていると思います。」 Q.「本を書いていて一番楽しいことは?」 A.「書かないときが一番楽しいです(笑) トラク、レン、ウルフたちと一緒に石器時代にいる時が一番楽しいです (ストーリー世界に没頭しているときと言う意味でしょうか) 一番嫌なのは「第一章」とだけ書かれた真っ白な原稿を目の前にすることです(笑)」 Q.「どのような環境で執筆されているのですか?」 A.「小さな家に住んでいて、第二ベッドルームを仕事場にしています。 その部屋は、資料などでごった返していて、机に向かう細い道が出来ています(笑) 私の家にはファンの方から頂いたオオカミのぬいぐるみが沢山あります」 Q.「現在はCoADのみを執筆されているのですか?他の作品も同時に書かれているのでしょうか?」 A.「CoADのみです。なぜなら、リサーチやプロモーション旅行で時間が取られるからです。」 |
と、大体上記のような感じでした。 確か、「休みはあるのですか?」という問いに「いいえ、しかし、取材旅行が休みのようなものです」 とも答えていた気がしますが、ノートに書いてなかったので割愛しました(汗) 作業場がちらかっているとか、ボーイッシュな女の子だったとかいうエピソードから、 レンのモデルはペイヴァーさんご本人ではないかと思ってしまいました(笑) 以上でとりあえず講演会は終了。そのままサイン会に突入しました。 |
1.申し込み〜準備段階 | 2.当日講演が始まるまで | 3.講演 | 4.質疑応答 | 5.サイン会以降 |
5.サイン会以降 |
講演会がひとまず終わって、その後はサイン会が行われました。 管理人は、サインして頂くために用意した日本版SWと、 手渡ししたいと思って持ってきたファンアートとファンレターを持って列に並びました。 ペイヴァーさんは一人一人に声をかけ、名前を聞きながらサインされていました。 結構英語で話しかけているかもいて、「くそ、英語さえ出来れば…」と悔しい思いに(笑) で、自分の番になったとき、ペイヴァーさんにサインしていただいているときに通訳の久野さんに 「これお渡ししたいのですが」と 例のブツ(笑)をお渡ししました。 すると久野さん「彼女が描いたものですって!」とペイヴァーさんにおっしゃってくださり、 久野さんは「これ、出して見て良いですか?!」とその場でファンアートを広げだしました(笑) 久野さんもペイヴァーさんも評論社の方も、「これが誰々で…」 と確認するように一つ一つイラストを見てくださって、 喜んでいただけたようでした。良かった〜。 ペイヴァーさん、フィン=ケディンのイラストを指して、サムアップ!! 私はフィン=ケディンが大好きで、そのイラストは個人的に気に入っているのでとても嬉しかったです。 私が「私、フィン=ケディン大好きなんです!」と言うと、ペイヴァーさん「私もよ!」とおっしゃってました。 後ろにまだ沢山人が並んでいたので、とりあえずその場は退散(笑) ↑これがミシェルさんのサインです。(私の名前の部分は消してあります) 右下のスタンプは、オオカミの右前足の写真をスタンプにしたものだそうです。私も欲しい!! ちなみに、ミシェルさんは左利きなので、日本版の開きかたの方がサインしやすいと言っていました。 It is a autograph of Michelle. (My name is deleted) A stamp of the lower right seems to be the thing which made a photograph of a right fore foot of a wolf a stamp. By the way, Michelle said that a Japanese version was easy to sign it because she was a left-handed person. 人が引くのを待っていると、話しかけてきてくださった方が。 「あ、私評論社の編集のものです」とおっしゃるので、 以前編集部の方に無理やりお願いをして、 評論社のサイトに掲載されている『クロニクル通信』のバックナンバーと 『オオカミ族の少年』のポップやチラシを送って頂いたことがあり、 その際お世話になったことにお礼をすると、覚えてくださっていたようでした(恥) せっかく評論社の方とお話していたので、 あとで評論社に送ろうと思っていたファンアートを手渡し、 また、「後でミシェルさんの写真を撮りたいのですが…できれば2ショットとお1人のショットを…」 とお伺いすると、OKとのことで、お1人のショットは私が、 2ショットはこの編集部のOさんが撮って下さることになりました。 カメラを持って待っていると、通訳の久野さんが「せっかくだからイラストを持って、 隣の椅子に座って撮ってもらったら?」 とおっしゃってくださって、その時撮ったのがこの写真です。 掲載許可をペイヴァーさん、撮影者のOさんから得てあります。 This image used with Ms Paver's permission. ペイヴァーさんが首にかけているのはクマの爪と牙を使ったネックレスです。右後方にチラッと見えているのが通訳の久野さん。 私の顔の上にうちの愛犬キアラの写真をかぶせてあります。…さすがに怖いぞ、この図(笑) 掲載許可をペイヴァーさん、撮影者のOさんから得てあります。 It is the necklace which it used claws and a fang of a bear for that Michelle hangs on her neck. It is covered with a photograph of my dog Kiara on my face. 写真を撮らせていただいたあと、完全に(?)私以外関係者の方だけになったっぽかったので、 ペイヴァーさんにいくつか質問してみました。 一つはSWの質問。 CoADの世界では、死者の名をその人の死後5年は口にしてならない、という決まりがあるのですが、 トラクはつい先ごろ命を落としたオスラクの名を口にします。 これを読んで、なぜトラクがオスラクの名を口にしたのか疑問に思ったのでした。 もしかして、トラクはオスラクの身内じゃないから?と思ったのですが…。 はじめはミシェルさんは「トラクが心の中で言って、口には出していないのでは?」とおっしゃったのですが、 食い下がる管理人。 とうとう評論社の方(Oさんではない方)が見かねて日本版SWを持ってきて下さいました。 すると、やはりオスラクの名を口にするシーンが。 それから管理人的には記憶になかったのですがテンリスの名も。 それについては私も「え?」という感じだったのですが。 ペイヴァーさんもご自身のUK版を持ち出して確認。 確かにオスラクの名がそこには書かれていましたが、オリジナル版ではテンリスの名は書かれていませんでした。 ペイヴァーさんがはじめ、このことにピンと来なかったのは『魂食らい(仮)』を書き終わったばかりで SWの細部についての記憶が曖昧だったからのようです(笑) そして、この質問に対する答えは 「本来は身内であるかどうかは関係なく、トラクもオスラクの名を口にしてはいけないのですが、 彼は少年で、ここではとても感情がとても高ぶっていたためについ口に出してしまったのです」 というもの。なるほど、納得!トラクらしい行動だと思います。 ちなみに、これはイヌイットの風習だとおっしゃったので、 「私は、アイヌが死者のことを話さないという風習から来ているものだと思っていました」と言うと、 「確かにその通りです。アボリジニにもこのような風習があるのですよ」 と教えてくださいました。本当に色々詳しくリサーチされているんだ、と感激してしまいました。 それから、ヴィジュアル的に個人的に重要な質問(笑) 「レンは左利きなのですか?」ということも聞いてみました。 それに対しては「誰がどっち利きなのかは決めてあるのですが、 今は誰がどちら利きなのか忘れてしまいました」とのこと。 きっと仕事場にそういうリストが置いてあるのでしょうね。残念!!! 帰る準備をされているところへの質問にも丁寧に答えてくださり、 通訳の方や評論社の方も付き合ってくださり本当に感激でした。 講義が終わったあとに個人的に質問に行った時、そのときの雰囲気から 、なんだか大学時代を思い出しました。 そのくらいフランクな感じだったんですよ(笑) |
この日の参加者は、年配の女性が多かったように思います(思いっきり浮いてました、管理人…)。 人数は全部で50人くらいだったでしょうか。 ペイヴァーさんご本人、通訳の久野さん、Oさん他評論社の方々、翻訳のさくまゆみこさん、 絵本作家の児島なおみさん、JBBYの方々、皆さんとても本当に良い方ばかりでした。 とても幸せな時間を過ごし、フワフワした気分のまま帰宅しました。 |
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